このようなお悩みにお答えします。
初めまして、資産運用をはじめて5年目になる藤崎です!
投資初心者のころは株式や債券の違いがよくわからず、どちらを購入したらいいか迷う方も多いのではないでしょうか?
2つの商品の違いを理解して運用方法を選べると、効率的に資産を増やせます。本記事では株式や債券の違いや特徴を紹介しつつ、以下の内容を解説します。
- 投資する前に知りたいリスク・リターンの関係
- 株式と債券の相関関係
- おすすめの運用方法
株式と債券の違いがよくわからず投資先に困っている方は、本記事を参考にしてみてください。
株式と債券の違いとは?それぞれの特徴を解説
株式と債券の違いについて、以下の表にまとめました。
株式 | 債券 | |
収益の種類 | ・譲渡益 ・配当金 ・株主優待 | ・利子 ・譲渡益 |
リスク・リターン | ハイリスク・ハイリターン | ローリスク・ローリターン |
満期日の指定 | なし | あり |
最低購入金額 | 100円〜 | 1万円〜 |
流動性 | ◯ | △ |
株式と債券の特徴について詳しく解説するので、ここで理解を深めましょう。
株式の特徴
価格の変動は債券より大きいものの、大きなリターンを期待できるのが株式への投資です。
株式は企業が資金調達を目的に発行されるもので、投資家が株式を手に入れたいとき、証券会社を通じて取引されます。
株式投資には、以下3つの利益が期待できます。
- 譲渡益:買った時より高い値段で売却したときに発生する利益
- 配当金:企業が得た利益を株主に還元する利益
- 株主優待:企業によって製品やサービスなどの優待を受けられる
株式の取引では通常100株単位での購入が必要ですが、単元未満株の制度を利用すると1株からでも取得ができるため、債券と比べて投資するハードルは低いです。
株価の推移は企業の株式を欲しい人が多いほど上がり、売りたい人が多くなると下がります。株価の下落局面で株式を購入すると、元本割れするリスクがあるため、投資するには慎重に判断をしなければいけません。
したがって、企業の業績・ニュース・市場の動向をチェックして、将来値上がりが期待できる株式に投資するのが大切です。
債券の特徴
株式と比べて安定した運用を続けながら、利子による収益を期待できるのが債券の特徴です。
債券とは、国・地方自治体・企業などが資金の調達を目的として発行される借用書のようなものです。
債券は満期日(償還日)が決められているので、購入したタイミングで受け取れる金額が確定します。
債券が発行されると利子の条件が決められ、1年間に受け取れる金額は表面利率を確認すると計算できます。さらに、満期日まで保有すると、額面金額での受け取りが可能です。
債券を保有している途中で値上がりしたら売却もできるため、株式に比べて安定した収益を期待できるのがメリットです。
最低購入金額は株式と比べて高く、以下の資金を目安に準備する必要があります。
- 国債:1万円〜(国が発行する債券)
- 社債:10万円〜(企業が発行する債券)
株式に比べると債券の流動性は低く、国債は1年間中途換金ができない条件が付いている場合もあります。したがって、購入時には売却条件を確認するのが大切です。
株式や債券に投資する前に知りたいリスク・リターンの違い
金融商品にはリスクとリターンの関係があり、大きなリターンを期待しようとすると元本割れする可能性を考慮しなければいけません。
リスクリターンの関係については、以下の画像を参考にしてみてください。
画像引用元:投資の時間 投資って安全なの?リスクとリターンの関係|日本証券協会
株式はハイリスク・ハイリターンな金融商品です。市場の状況によって売りたい人が増加すると価格が下がるため、購入時より値下がりする可能性がある点と向き合わなければいけません。
ただし、投資した企業の業績が好調な場合、購入したい人が集中するため価格は大きく上昇する可能性を秘めています。
一方で、債券はローリスク・ローリターンの金融商品です。債券価格は日々変動していますが、満期日まで保有を続けていると額面金額を受け取れるため、購入価格より下回る心配はありません。また、定期的に利子を受け取れるので、安定した収益を確保できます。
債券に投資するならデフォルトリスクを確認しよう
債券は比較的安定した金融商品ではあるものの、企業の経営状態の悪化や国の財政破綻によって、元本の払い戻しや利子の支払いが停止する可能性があります。
元本の払い戻しや利子の支払いの滞りが起きる可能性のことを「デフォルトリスク」といいます。
デフォルトリスクの判断材料として、格付け会社が発表する「信用格付け」があり、信用度が高いほどデフォルトリスクを下げられるのです。
主要な格付け会社が発表する信用格付けは「AAA〜C」で評価され「BBB」以上であれば、投資適格としてデフォルトリスクが低いといえます。
「信用格付け」の具体例として「R&I 格付投資情報センター」が発表する、日本企業のデフォルト率・格付推移を見ていきます。
画像引用元:日本企業のデフォルト率・格付推移行列(1978 年度~2021年度)5ページ|R&I 格付投資情報センター
格付け「AAA」評価の債券は、5年以内のデフォルト率は0%であり「BBB」評価の債券は、5年以内のデフォルト率は1%でした。したがって「BBB」以上の評価を受けている債券を選べば、ある程度のデフォルトリスクを回避できるでしょう。
債券の購入を検討するときは、事前にデフォルトリスクを確認するようにしてみてください。
外国の株式や債券に投資するなら為替変動リスクも考慮する
外国の株式や債券へ投資するときに確認したいのが、為替変動リスクです。為替変動リスクとは、円と外貨の為替変動によって外貨建ての株式や債券の価値が変化するリスクのことです。
金融商品を購入した後、円高になると円での受け取り額は減少し、円安になると為替差益を得られます。
たとえば「1ドル=100円」の条件をもとに、1万円で100ドル分の株式を購入した実例をみていきましょう。1年後に「1ドル=90円」に為替が変動した場合、株価は変わらなくても円換算で9,000円の価格になるので、為替差による損失が発生します。
参考までに、過去5年間におけるドル/円の為替チャートを紹介します。
画像引用元:Google Finance
2021年までは「1ドル100〜120円」のレートで推移していましたが、2022年以降は円安によって「1ドル130〜150円前後」で変動しています。
投資タイミングによっては、収益が発生したり損失が出たりするので、海外の金融商品を購入するなら為替リスクを考慮しておきましょう。
株式と債券の相関係数の違い
株式と債券の購入を検討している方に向けて、相関係数について解説します。相関係数とは、異なる2つの資産を比べたときの連動性をはかる指標のことです。
数値は「1からマイナス1」の範囲で表され、プラス1に近づくほど連動性が高く、マイナス1に近づくほど逆の動きをするのが特徴です。また、相関係数が0に近づく場合には、双方の値動きに関連性はないと考えられます。
債券と株式の相関係数については、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が発表するデータを紹介します。
相関係数 | 国内債券 | 外国債券 | 国内株式 | 外国株式 |
国内債券 | 1.00 | 0.290 | -0.158 | 0.105 |
外国債券 | 0.290 | 1.00 | 0.060 | 0.585 |
国内株式 | -0.158 | 0.060 | 1.00 | 0.643 |
外国株式 | 0.105 | 0.585 | 0.643 | 1.00 |
参照元:分散投資の意義③卵を一つのかごに盛るな|GPIF 年金積立金管理運用独立行政法人
外国株式と外国債券を比べたとき、正の相関関係があるため、似たような値動きになる可能性が高くなります。
したがって、外国株式・債券を購入したあとで分散投資の効果を高めるなら、国内株式や国内債券を組み合わせるのがおすすめです。
株式と債券のおすすめ運用方法
株式と債券ではリスク・リターンが異なるため、資産運用の目的にあわせて購入する商品を決めるのがおすすめです。
また、株式と債券のバランスを考えて、2つの資産を組み合わせたポートフォリオを運用するのもいいでしょう。こちらでは、株式と債券のおすすめの運用方法を紹介するので、購入する際の参考にしてみてください。
1. 投資のリスクが取れるならリターンを重視した株式を中心に運用
投資によるリスクが取れて、これから資産を作る年代であれば、リターンを重視して株式を中心に運用するのがおすすめです。
企業の業績や景気によって価格が変動するリスクは高いものの、その分得られるリターンは大きいのが魅力です。また、株式には満期日は設定されていないため、長期分散投資を続けることで収益がプラスになる可能性は高くなります。
長期投資の考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
私は30代前半であり、これから資産を増やしたい年齢であるため、株式中心に運用を続けています。あと20年ほどは、今のまま株式中心のポートフォリオを組む予定です。
2. 低リスクで安定的に運用したいなら債券を中心に運用
低リスクで安定的に運用したい方は、債券を中心に投資するのがおすすめです。債券最大の魅力は満期日に額面金額を受け取れる点にあるため、価格が下がっても元本割れする心配はありません。
利子の支払い日に一定金額がもらえるため、収益の計算が立てやすく安定して資産運用を続けられます。預貯金と比べて現金化はしにくいですが、金利は高く設定されるので、リスクを取らずに安定的な収益が期待できます。
株式と債券の違いを理解して資産運用を始めよう
本記事では株式と債券の違いや、リスク・リターンの関係について解説しました。
株式はハイリスク・ハイリターンの金融商品であり、投資した企業の業績や景気によって価格は大きく変動します。ただし、将来値上がりが期待できる株式に投資できると、大きく資産を増やせるでしょう。
株式と比べて債券はローリスク・ローリターンな金融商品です。債券価格は日々変動しますが、満期日まで保有していると額面金額が受け取れるため、値下がりによる損失を受けない点が魅力です。また、定期的に利子を受け取れるため、安定した収益が期待できます。
2つの金融商品の特徴を理解して、購入先を検討してみてください。